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4988006892040 ○伊福部昭のエッセンスが聴ける、熱気渦巻くライヴ。1993年〜94年に収録された、伊福部昭の傘寿を祝う一連の“傘寿記念シリーズ”のコンサート記録。伊福部作品を慈しみながら数多く演奏をし、また時には初演も行なってきた新交響楽団による素晴らしい演奏の数々です。中でも1993年のベルリン・フィルハーモニーでのライヴ《ラウダ・コンチェルタータ》の録音は稀有な記録。1996年の初出以来眠っていた、日本人作曲家を語る上では外すことのできない、知る人ぞ知る貴重な名演を再発します。2006年に91歳で亡くなった伊福部作品の主要作品が収録されたこのアルバムには、1935年作曲のチェレプニン賞受賞の出世作“日本狂詩曲”から始まり、その曲の応募に当りスコア浄書を手伝った次兄・勲の追悼のために書かれた1943年作曲の名作“交響譚詩”、1954年作曲（1979年改訂）の伊福部の唯一の交響曲である“シンフォニア・タプカーラ”（高校時代の友人、三浦淳史に献呈。初演は1980年に芥川指揮の新交響楽団）、そして1976年作曲の“ラウダ・コンチェルタータ”、1983年のゴジラのテーマ音楽を含んだ“SF交響ファンタジー 第1番”と続き、最後は1991年作曲の“管弦楽のための《日本組曲》”（1933年のピアノ組曲のオケ編曲）となる、各...

4988001763550 ○美しきウィーンの伝統の継承者にしてその破壊者〜グルダの2つの顔を見事に表出したベートーヴェンウィーン出身の名ピアニスト、グルダ(1930〜2000)は、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトの作品を得意とするウィーンの演奏伝統の継承者であり、かつ1950年代のアメリカ演奏旅行時に接したジャズへの強い傾倒で知られるように、その破壊者でもありました。コンサートではタキシードを着るのをやめ、前半クラシック、後半ジャズというプログラムをしばしば聴かせました。この1960年代前半のコンサートホール録音では、伝統の継承者の顔が強く表れていますが、それを逸脱しようとするグルダの姿もうかがえる興味深い演奏となっています。ピアノ協奏曲第5番『皇帝』での磨き抜かれたタッチ、しなやかなフレージング、軽やかなリズム、絶妙なテンポ・ルバートによる情緒表現は、スコアに書かれていないトラディションの模範解答を見る思いがします。一方、足を踏み鳴らしながら果てしなく高揚する終楽章は、伝統を打ち破ろうとするグルダの姿そのものと言えるでしょう。アバドやヤンソンスの師として名高いスワロフスキーの指揮は、すべての音に血を通わせた意味深さと明快な造形感覚が見事です。一方のピ...

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4945604548212 ブラームスはピアニストとしても名高く、生涯にわたってピアノ作品を作曲しました。ソロ・ピアノのための作品に加えて、多数の自作の管弦楽曲、室内楽、声楽のスコアを、より一般に親しみやすくするために4手ピアノ版へと編曲しました。名作「ピアノ四重奏曲第二番」は、三作中もっとも優美でスケールの大きな弦楽四重奏曲であり、情愛深い緩徐楽章とバッハに触発された大規模なスケルツォで有名です。対照的に、軽妙で遊びごころに満ちた「ワルツ」は、マジャールのリズムの影響が時おり顔を覗かせる楽しい小品です。

4945604578561 両曲ともに“リズムの饗宴”と言えるこの一枚は、ピアノ演奏で大変な困難が予想されますが、シチェルバコフの手にかかれば問題なし。原曲スコアの中枢とも言えるリズムの構造が明快に聞こえ、ベートーヴェン・ファンにとっては曲をあらためて知るチャンスでしょう。ナクソスのリスト作品全集の最新巻第23巻は、名手シチェルバコフが弾く、1865年にリストがソロ・ピアノ版のために編曲したベートーヴェンの交響曲第7番と第8番の圧倒的な演奏です。19世紀の音楽愛好家は録音された音を聴くことなど想像外のことで、ほとんどの聴き手にとって、ベートーヴェンの交響曲を一番手軽に耳にできるのはリストによるピアノ版を通してでした。現代に近づくにつれて、交響曲のピアノ演奏は廃れてきましたが、現代のピアニストに、こうした巨大な演目を弾ききるのに必要な音楽家魂や肉体的な強さが薄れてきているのは否めません。シチェルバコフの演奏は各誌で絶賛を浴びている圧倒的なものです。

4945604723350 ナショナル・エディション使用。ショパンの真意が伝わるか？生誕200年を迎えたピアノの詩人、ショパンのピアノ協奏曲の登場です。ここで使われている新校訂版は、ショパンが最初に想定したスコアを再現したものとして紹介されています。ヴィトの指揮は、通常、物足りない感のあるショパンのオーケストレーションを満足行くまで再現します。ネボルシンのピアノも言う事なしです。